■運動支援プラットフォームの社会実装を推進
内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期」におけるテーマ「バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」の一環として、産学官連携プロジェクトの情報発信サイト『ホコラボ』を公開しましたのでお知らせいたします。ローランド株式会社が協力する本プロジェクトは、パーキンソン病と共に生きる社会の実現に向け、体性感覚・聴覚インタラクションに基づく運動支援プラットフォームの研究開発から社会実装までを一体的に推進します。
●『ホコラボ』ウェブサイト: https://hocolab-pd.orphe.io/

『ホコラボ』 ロゴマーク
■「PDパンデミック」と社会的課題
パーキンソン病は、患者数の増加が急速に進む神経変性疾患であり、2040年には世界で約1,300万人に達すると推定されています。この状況は「PDパンデミック」とも表現されるほど、深刻な社会課題となっています。
パーキンソン病に特徴的な歩行障害(すくみ足、小刻み歩行、突進歩行など)は、移動の困難化や転倒・転落を契機とした寝たきり化に繋がるため、歩行障害の緩和や予防は極めて重要な取り組みです。また、パーキンソン病の症状には大きな日内変動があるため、日常生活で普段使いできるシステムの必要性が高いと考えられます。
■プロジェクトの狙いと中核技術
『ホコラボ』は、日常生活下で活用可能な最先端技術を集結し、データ蓄積、データとモデルに基づく介入効果予測、個々に最適なタイミングでの介入によって、パーキンソン病の方の日常生活、そして未来をよりよくする運動支援プラットフォームの構築を目指します。
■プラットフォームを支える3技術要素
・歩行障害計測:スマートシューズ
足に装着可能な小型センサで日常での歩行データを詳細に記録します。状態把握やすくみ足の予測、介入タイミングの制御等を可能にします。

スマートシューズ
・介入効果予測:神経筋骨格モデル
神経・筋・骨格を統合したモデルで歩行障害を再現し、データに基づく個別化介入の有効性をコンピュータシミュレーションで予測します。

神経筋骨格モデル
・最適感覚介入:体性感覚・聴覚インタラクション
アシストスーツや歩行器、音楽介入システムが、スマートシューズ連動やモデルシミュレーション結果をもとにして、歩行を補助します。

体性感覚・聴覚インタラクションのイメージ
【提供するサービス】
SIP支援期間後(2028年3月)には、訪問看護事業者と連携したサービスとして、以下の3つのサービスを社会実装することを目指します。
・不活動予防サービス :スマートシューズによる活動データ計測と生活中の活動量維持サポート
・生活モニタリングサービス:周囲の環境も含めた日常生活のモニタリングと環境改善サポート
・歩行障害緩和サービス :アシストスーツや音・音楽を用いた個別化された歩行サポート
■“Walking with Parkinson’s, Creating Together.” – パーキンソン病とともに歩む社会を、ともに創り出す
「病と共に生きる」:“Walking with Parkinson’s,”
『ホコラボ』プロジェクトの理念は、PDと向き合う毎日を「病と共に生きる」という価値観で捉え直す点にあります。パーキンソン病とともに歩む社会の実現がその使命です。
・「歩行に不安があっても自分らしく暮らせる」社会の実現
・運動支援を通じたウェルビーイングの実現
・すべての人が「自分らしい一歩」を踏み出せる社会の実現
・技術開発にとどまらず、文化・社会の形成

“Walking with Parkinson’s,” イメージ
ステークホルダーとの共創:“Creating Together.”
情報サイト『ホコラボ』は、知識や開発ストーリーを共有するにとどまらず、当事者・家族・医療介護・地域・企業とつながり、意見を集めながらともに良いものを作り出せるコミュニティであることを目指します。
■実施体制
本プロジェクトは、以下の産学官機関が連携して実施します。
<参画機関(委託事業者)>
機関名 :国立研究開発法人 産業技術総合研究所
主な担当領域:プロジェクト代表・神経筋骨格モデル開発・体性感覚介入技術
機関名 :国立大学法人 九州工業大学
主な担当領域:歩行器開発
機関名 :学校法人 慶應義塾
主な担当領域:聴覚介入システム開発
機関名 :学校法人 巨樹の会 令和健康科学大学
主な担当領域:リハビリ臨床実証・社会実装検討
機関名 :株式会社ORPHE
主な担当領域:スマートシューズ技術・ビジネスモデル開発
<協力機関>
機関名 :ピュア・クリオ
主な担当領域:訪問看護、通所介護・サービス展開検討/実証支援
機関名 :dot cue
主な担当領域:訪問看護、サービス展開検討/実証支援
機関名 :ダイヤ工業株式会社
主な担当領域:アシストスーツ・人工筋肉開発
機関名 :ローランド株式会社
主な担当領域:音源提供/音楽技術支援
■ローランドの役割
これまでの実証実験の中で、音や音楽を聴きながら歩行を行うことで、パーキンソン病の症状に改善がみられることが確認できました。
ローランドでは、歩行障害を緩和する「聴覚介入システム」に使用するサウンドおよび音楽データに関する音源提供および音楽技術支援を行います。
「聴覚介入システム」の概要は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
https://hocolab-pd.orphe.io/technology-1
当社では、関係機関と共に実証実験を重ね、病を改善するためのよりよいサウンド、音楽データの提供を継続的に行い、ローランドが培った音や音楽に関するノウハウを、惜しみなく本取り組みに提供してまいります。
ローランド株式会社 代表取締役社長 CEO 蓑輪 雅弘のコメント
「パーキンソン病による歩行障害の緩和を目指す『ホコラボ』プロジェクトに協力できることを大変光栄に感じています。電子楽器の開発で培ってきた当社の音源技術や音楽表現のノウハウが、医療・ヘルスケアの分野で新たな価値を生み、人々の生活を支える一助となることを期待しています。本プロジェクトを通じて、パートナーの皆さまとともに社会課題の解決に挑戦し、より良い未来の実現に貢献してまいります。」
■ローランド株式会社について
ローランド株式会社は、デジタルピアノ、シンセサイザー、電子ドラム、ギター関連製品、アンプ、DJ 機器、映像・音響機器などを開発・製造している電子楽器メーカーです。1972年の設立以来、最先端の技術で新しい「音」を常に追求しながら、世界初、国産初の製品を数多く創出。プロ・ミュージシャンからアマチュア・ユーザーまで、世界中のクリエイティブな人々とともに未来を創る「WE DESIGN THE FUTURE」をブランド・メッセージとして掲げ、音楽や映像の新たな可能性を切り拓いています。
・会社名 : ローランド株式会社(東京証券取引所 プライム市場:証券コード 7944)
・代表者 : 代表取締役社長 CEO 蓑輪 雅弘
・ウェブサイト: https://www.roland.com/jp/
